The Essays of Maki Naotsuka

オンラインエッセー集

24 戦争映画(U・ボート,ヒトラー ~最期の12日間~,大列車作戦,山猫)を観て 2007.6.14

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 昨夜はBSでTV放映されたドイツ映画『U・ボート』(原題 Das Boot、ヴォルフガング・ペーターゼン監督、1981年、ドイツ)を観、夜更かししてしまった。

 ユルゲン・プロホノフ扮する艦長は、あまりにも、あまりにも、カッコよかった。眼の色が光線の加減によって、翠色に見えたり、サファイア色に見えたり、菫色に見えたりする。

 潜水艦の中で艦員たちは段々やつれていくが、やつれた艦長の顔に煌々と輝く眼。あの眼は忘れられそうにない。

 描き方がハリウッド物とははっきりと違う。『ヒトラー ~最期の12日間~』(原題 ドイツ語: Der Untergang / 英語: Downfall、オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督、2004年、ドイツ・オーストリア・イタリア)*1などに通ずるリアリズム、ペシミズム、ドキュメンタリータッチが特徴的だった。燻し銀のような味わいがあって、そこはかとなく美学の香りがする。

 その前日に観たバート・ランカスター主演の『大列車作戦』(原題 The Train、ジョン・フランケンハイマー監督、1964年、アメリカ)も面白かった。

 ナチスの手からフランスの名画を守り抜くレジスタンス物だが、あれに出てくるナチスの将校たちは英語を話し、雰囲気にもそれらしさがなく、その点だけは不満だった。

 アクションで楽しませてくれ、勧善懲悪的ラストがあざといといえばあざといが、娯楽映画としては最高の部類の映画だろう。

 これがイタリア貴族ヴィスコンティ監督の映画となると、バート・ランカスターも趣が違ってくる。一昨年だったか、映画館で観た『山猫』(原題 イタリア語: Il gattopardo / フランス語: Le Guépard、ルキノ・ヴィスコンティ監督、1963年、イタリア・フランス)。

 ヴィスコンティのタッチは美学的、などという均衡のとれた性質のものではなく、傲慢といっていいくらいのナルシシズムに彩られた頽廃臭漂う耽美的タッチなのだ。

 ヴィスコンティも、バート・ランカスターも、もう一人出演者として目立ったアラン・ドロンも、全員が蠍座というのは占星術に関心のあるわたしとしては面白さを覚える。

 いずれにしても、男性の香り芬々たる映画。

*1:拙ブログ「マダムNの神秘主義的エッセー」収録のエッセー17「映画『ヒトラー ~最期の12日間~』を観て―2005.10― 」参照