The Essays of Maki Naotsuka

オンラインエッセー集

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

56 どのような境遇の人間にも明瞭に語りかけてくる物語、ブッツァーティ『タタール人の砂漠』2016.7.26,2016.8.11

Christel によるPixabayからの画像 中心街にある美容院に行ったとき(短くカットしてすっきりした)、「おすすめ読書感想文によい本」の記事を書く参考にするために書店に寄り、候補作(?)をピックアップした。 カテゴリー「◇高校生の読書感想文におすすめ…

55 児童文学界の黒(赤?)歴史と那須田稔の業績 2015.10.17

MelanieによるPixabayからの画像 エッセー54「イタリア絵本展、及び邦訳版から思ったこと」で、 で、わたしは次のように書いた。 この方が児童文学界のトップにずっといらっしゃたとしたら(どうしてそうではないのか、事情は知らないが)……わたしは文学界を…

54 イタリア絵本展、及び邦訳版から思ったこと 2015.10.16

イタリア語を勉強している娘が百貨店のイタリア展で、2冊の絵本を購入した。 イタリア展の絵本コーナーには、印象的な絵本がいろいろと置かれていた。娘はその日、黄色い表紙の絵本を選んだのだが、別の日にまた行って、白っぽい表紙の絵本を買った。 わた…

53 村上春樹著『1Q84 BOOK3』の売り方、そして絵本作家の逆輸入現象から見えてくるもの 2010.4.17

Hermann TraubによるPixabayからの画像 ネットニュースでは、発売を待って長蛇の列が出来ていたそうだが、娘が勤務する書店は地方の郊外店(北海道から九州まであるチェーン型書店)だからか、昨日は10冊ほどの売れ行きだったという。 娘の勤務する書店でも…

52 厳然とタブーが君臨しえた世界における物語、大岡昇平「野火」 2008.2.16

昭和28年(1953年)10月、神奈川・大磯の自宅庭にて、妻・春枝と 出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) 『大岡昇平〈ちくま日本文学全集)』(筑摩書房、1992年)所収「野火」を読んだ。戦争を描いた小説を読むのは何となく気が重いのだけれ…