The Essays of Maki Naotsuka

オンラインエッセー集

35 行く年に想うこと&ヴァレリーの詩の紹介 2006.12.31

出典:Pixabay 社会的に激変の一年*1だった。成年の年齢をこれまでの20歳から18歳へと引き下げる民法改正議論が起きている。 わたしは法学部卒なのだが、わたしが学生のころは小六法を毎年買い替える必要などないくらいだった。そのころからすると、法律事情…

34 入京(クリスマス・イヴに蔵出しの自作詩) 2006.12.24

「入京」は、還暦を過ぎたわたしが学生時代に書いた詩。 出典:Pixabay 入京 エルサレムの白いひろがりがたたずむ仔ろばの足をひたす 仔ろばは耳を澄ますようにして立っていた灰真珠色の外套に包まれて主がほのかに座していらっしゃるからだ 至純の思念が沁…

33 「文學界」11月号の「黒い鏡」、新年号の「カンディンスキーの膝」 2006.12.8

出典:Pixabay 文藝春秋の文芸雑誌「文學界」を年間購読しているものの、パラパラとめくるだけで終ることが多い。 たまには面白く読む作品もあって、それが11月号の『特集 世界の文学賞はどうなっているか』、村上香住子「黒い鏡」、新年号の荻野アンナ「カ…

32 映画「プラダを着た悪魔」 2006.12.8

出典:Pixabay プラダを着た悪魔(The Devil Wears Prada)監督:デヴィッド・フランケル脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ原作:ローレン・ワイズバーガー製作:ウェンディ・フィネルマン製作総指揮:カレン・ローゼンフェルト、ジョー・カラッシオロ…

31 児童文学作品の400字詰め原稿換算枚数を調べてみる 2018.12.16

出典:Pixabay 執筆中の児童小説「不思議な接着剤」は、プロローグ編に当る『不思議な接着剤1: 冒険前夜』*1をkindleストアに出している。歴史小説を先に仕上げたいので、本編の電子出版には時間がかかりそうだ。 計画では100枚強のプロローグ編と本編合わ…

30 アストリッド・リンドグレーン (1)ワイルドなピッピに漂う憂愁の影 2010.4.23

出典:Pixabay 当記事から始める「アストリッド・リンドグレーン」は、『長靴下のピッピ』で有名な、スウェーデンの児童文学作家アストリッド・リンドグレーンについて考察したノートです。その多くが、拙基幹ブログ「マダムNの覚書」で公開したノートに加…

29 五感が隅々まで働いているモーリアックの文章 2007.10.9~2018.5.22

出典:Pixabay 小説を書くとき、傍に置いているのは、いつ頃からかフランソワ・モーリアック(遠藤周作訳)『愛の砂漠』(講談社[講談社文芸文庫]、2000)だ。 フランスのボルドーに生まれた、カトリック小説家として知られるフランソワ・モーリアック(Fr…

28 同人誌提出作品~俳句「回転木馬」 2007.7.28

出典:Pixabay 同人誌「日田文學 55号」に俳句を提出すると決めたまではよかったものの、何せ我流俳句、一旦検討し出すと頭が痛くなってくる。 そんなわたしに励ましの言葉をくださったかたがあり、ブログをしていてよかったと切に思った。それで、冷静な頭…

27 公園デビューしたハムスター 2006.7.8

出典:Pixabay クリスマスを数日後に控えた、ある冬の日のこと。夫と子供たちはペットショップへ出かけた。 その頃、ゴールデンハムスターが人気を集めていて、子供たちは飼いたがっていたのだ。わたしは嫌だった、ネズミを飼うなんて。 子供の頃に家政婦さ…

26 フジコ・ヘミング (1)初のフジ子・ヘミング 2006.5.1 

出典:Pixabay フジ子・ヘミング*1のピアノ・リサイタルは、素晴らしかった。可能な限り印象を持ち帰りたいと思い、休憩時間にメモ帳を開いたのだが、うまく書き取ることはできなかった。無味乾燥なメモ……。 休憩時間にロビーへ出ると、犬たちがいた。盲導犬…

25 美空ひばりに釘づけ 2007.6.25

出典:Pixabay NHK BS2で美空ひばり生誕70年記念番組を昨日からやっていて、テレビに釘づけ。81年に収録された「ひるのプレゼント」を観ていた。 着物姿のひばりが歌うときの、凜とした艶冶な美しさといったらない。他の女性演歌歌手と比較してみればわかる…

24 戦争映画(U・ボート,ヒトラー ~最期の12日間~,大列車作戦,山猫)を観て 2007.6.14

出典:Pixabay 昨夜はBSでTV放映されたドイツ映画『U・ボート』(原題 Das Boot、ヴォルフガング・ペーターゼン監督、1981年、ドイツ)を観、夜更かししてしまった。 ユルゲン・プロホノフ扮する艦長は、あまりにも、あまりにも、カッコよかった。眼の色が…

23 ネットで横行している薬の売買を憂う 2007.6.13

出典:Pixabay わたしはインターネットをはじめて3年くらいにしかならないので、いつ頃からのことなのかは知らないが、ネットによる薬の売買が横行しているようだ。 かつて文学仲間だった女性も利用者の一人で、盛んに購入しているらしい。 薬事法違反者の薬…

22 宅配寿司の謎 2007.4.18

出典:Pixabay 宅配寿司を頼んだ。 この街に引っ越してきて3年目になるが、宅配寿司は引越し後しばらく経った頃から、ときどき利用させていただいている。 その宅配寿司についてだが、謎がある。 お寿司の1個1個が小ぶりだけれど味がいいときと、太っちょ…

21 馬を見ていた息子 2007.3.31

Free Images - Pixabay 息子から電話がありました。 高校時代のクラス会に1泊2日で出かけ、旧交を温めたようでした。帰りに湯布院で乗り継ぎのために40分あったため、下りて、近くにある観光客相手の馬車を見に行ったということでした。 馬車を引いている…

20 雛祭りの記憶 2007.3.3

出典:Pixabay 今年もお雛様を出しそびれた。出してあげないと、箱の中で踊り出すというけれど。 うちにある娘のお雛様は、内裏雛一対の真多呂人形で、出すのにそう手間がかかるわけではないのだが、結構場所をとるし、1日だけ飾るというわけにもいかないこ…

19 欧風料理店にて、ロートレックの絵に描かれたジャンヌを想う 2006.11.10

出典:Pixabay 休日だった娘と待ち合わせてランチに行きました。前に一度行ったお店です。 本当は娘と同じく休日だった夫も一緒にイタリア料理店に行くつもりだったのですが、残念なことにそこは移転のため、閉店となっていました。夫は急用ができて、一緒に…

18 朝のごみ出し情景 2006.11.6

出典:Pixabay 朝、ごみを出そうとエレベーターが上がってくるのを待っていたら、声がして、あとから2人のマダムがやってきた。 3人はそれぞれのごみと共にエレベーターにのった。1人は高齢のマダム、もう1人は孫がいる中年の域から高齢の域に移ろうとし…

17 サラダが連想させるマルグリット・オードゥー『孤児マリー』 2006.10.28

出典:Pixabay わたしは料理をしながら、これまでに読んできた文学作品の一場面が脳裏をかすめることがよくあります マカロニサラダを作るときは必ずといっていいほど、マルグリット・オードゥー『孤児マリー』のワンシーンが思い浮かぶのです。 Marguerite …

16 学生時代の思い出 2006.10.19

出典:Pixabay 学生時代の友人2人から相次いで手紙がきた。 同人誌を送り、わたしはその手紙の中でざっと近況報告し、ブログの存在を明かした。 友人の1人は、パソコンはあるがまだネットにつないでおらず、つないだら訪問すると書いてくれ、もう1人の友人…

15 キエフ・オペラ『トゥーランドット』 2006.10.14

出典:Pixabay 12日の木曜日にキエフ・オペラ(ウクライナ国立歌劇場オペラ)、プッチーニの『トゥーランドット』*1を観た。 舞台は絢爛豪華、音楽は迫力満点だった。 彼らは舞台マナーもすばらしかった。何度も繰り返されたカーテンコールにも嫌な顔一つ見…

14 映画『フライトプラン』で連想した「消えうせた貴婦人」の話 2006.10.6

出典:Pixabay 夫が、ジュディ・フォスター主演の映画『フライトプラン』*1のDVDを借りてきた。デップ様の『パイレーツ・オブ・カリビアン』も借りてきて、今夜帰宅したらお店に返しに行くといっていたから、それまでに観なくては……! 『フライトプラン』…

13 『ジュニア版 世界の文学(全35巻)』(岩崎書店,1967–1969) 2006.10.2

出典:Pixabay 昭和42年(1967)から44年(1969)にかけて、岩崎書店から『ジュニア版 世界の文学(全35巻)』が刊行されました。定価各380円とあります。 その中の(山本和夫編)『世界名詩集(ジュニア版 世界の文学 35)』(岩崎書店,1969)によって、わ…

12 月とロルカ 2006.9.28

『ジプシー歌集』(1928年)初版のカバー出典:Wikimedia Commons 昨日は夜空に三日月が息を呑むような美しさでした。 金色を帯びた黄色い月で、ぴかぴか光って見えました。 月といえば、思い出されるのがスペイン生まれの詩人・劇作家であったロルカ*1の詩…

11 肉を、もっと肉を(御婦人方の小話) 2006.9.21 

出典:Pixabay この街に引っ越してきてから、デパ地下とサティとマルキョウをよく利用します。以前住んでいた日田市では、ダイエーに行けば事足りたのですが、ここではこの3つに足を運ばなければ、食料品か日用品かのいずれかに不足が出てきます。そんな利…

10 検索サイトよ、汝は(殿方の小話) 2006.9.18

出典:Pixabay ある小説を例外として、わたしのブログ「マダムNの覚書」に小説を読みに来てくださるかたはそう多くはありません。 例外とは掌編『牡丹』でして、これだけは超ヒット、馬鹿受けしているようで、恐縮の至りです。 ただ、管理画面でその検索ワ…

9 児童文学作品の中の家庭事情 2006.9.16

出典:Pixabay 昨日の夕飯に、オムレツをしました。 オムレツの中身は、合い挽肉、みじん切りにした玉葱・人参を油で炒め、塩コショウしたポピュラーなものです。 子供たちが好んだので、以前はよくオムレツを作りましたけれど、オムレツって案外面倒ですよ…

8 子ぎつねヘレン 2006.9.13

出典:Pixabay 話は春に遡りますが、家族で映画『子ぎつねヘレン』*1を観に行きました。 ヘレン・ケラーのような三重苦を抱えた子ぎつねとのふれあい・介護を描いた獣医夫妻の手記がもとになっているということでしたが、映画は、主人公の男の子の心理を投影…

7 梨とピノッキオ 2006.8.28

出典:Pixabay 今夜の食後のデザートは、日田産の梨でした。日田市にいた頃は、日田産の美味しい梨を、それが普通の梨だと思って食べていました。汁気が多くてとても甘い日田産の梨が有名であることは、こちらに来て知りました。 梨といえば、連想するのが、…

6 児童文学作品を通して見る母親の幸不幸 2006.8.17

月とたましい 母――完全なる相違のたましいとわたしは寝ている。 わたしの、発作のように狂気のように、母に甘えたくなった末の話で、窪みのない平板な夜に、わたしの胸の蟇蛙達もさざめかない静けさのなかで、ひときわ濃く淡く、 母のかおり、それがわたしに…